シンポジウム「商業地域に建つマンションの日照問題」

三浦先生が主査を務める日本建築学会 環境設計小委員会が、2003年9月9日(火)に日照問題シンポジウム「商業地域に建つマンションの日照問題」(於 建築会館)を開催しました。

こちらではシンポジウムのすべての議論の内容がご覧いただけます。

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>>シンポジウムの記録

シンポジウムの主旨および内容

商業地域は都市計画法に基づく用途地域の一つであり、商業・業務の利便性を増進させるために定められる。商業地域では容積率の最高限度が高く、それに加えて建築基準法上の日影規制が適用されないため高層建築が建てられやすい。このため、マンションの南側に新たなマンション建設計画が持ち上がると、もとから建っているマンションの住民が反対運動を起こすという事態が多発している。しかし、マンションの建て主側は法律に従って計画しているという理由から、住民が要求する計画変更に応じないケースも多い。

商業地域に建つマンションのこうした日照問題を解決する道を模索することは緊急の課題である。一方、この問題にはさまざまな側面があるのも事実である。実際的な解決策を見出すためには、この問題に様々な立場から係わっている関係者の連携が欠かせない。そうした取り組みの第一歩としてこのシンポジウムでは「商業地域に建つマンションに日照は必要か」という問題提起をもと、建築学会の環境工学分野の研究者が中心となって討論を行い、この問題の現状分析と将来への提言をめざすものである。

このシンポジウムの開催をきっかけとして、商業地域に建つマンションの日照問題の具体的な解決に向けて研究成果が早急に集約されるとともに、この問題に対する社会的関心が喚起されることを期待する。

<主催> 日本建築学会環境工学委員会 環境設計小委員会+光環境小委員会

日 時 9月9日(火)午後1時30分~4時30分

会 場 建築会館302・303号会議室

内 容 司会:井上容子(奈良女子大学、建築学会光環境小委員会主査)

1.主旨説明

三浦昌生(芝浦工業大学、建築学会環境設計小委員会主査) 10分

2.基調報告

1)日照問題の現状と課題 30分
平手小太郎(東京大学、建築学会光環境性能・基準WG主査)
日照問題をめぐる法制度および学術的対応の現状を報告し今後の課題を論じる。

2)日照と健康 30分
清水英佑(東京慈恵会医科大学、医学博士、環境保健医学)
日照と健康の関係から住宅における日照の役割を論じる。

3)商業地域の住民の日照に対する意識 30分
久保田 徹(マレーシア工科大学)
商業地域のマンションを対象としたアンケートから日照に対する住民の意識を探る。

休憩 10分

3.総合討論

現状分析と将来への提言 100分
平手小太郎(前掲)、田中正敏(福島学院大学、医学博士、環境衛生学)、清水英佑(前掲)、矢野正剛(矢野正剛法律事務所、弁護士)、久保田徹(前掲)、三浦昌生(司会、前掲)