環境科学II
1年次・後期(2006年度まで)
[授業の教育目的及び方針]
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環境に対する基本的な考え方、科学的な捉え方について解説するとともに、社会的に注目されている環境問題を解説する。
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我々は常に風、音、光、熱を感じている。我々を取り巻くこういった環境要因に関する自分の体験を振り返ることから「環境」の理解は始まる。文章によって環境を観察し表現することを課題として行う。学生が提出した作文の中から興味深いもの、ユニークなもの、面白いものを選定して紹介し、コメントする。このコメントを通じてその環境要因に関するさまざまな考え方や捉え方を解説する。その後、その環境要因について、被害の実情、法規制や環境基準の現状、対策のあり方を解説する。
- 2週ごとに計6回の小テストを行い、学生の理解度を確認する。
[授業内容]
- 主体と環境
- 環境評価の枠組み~安全性、健康性、利便性、快適性
- 空間スケールと環境、空気汚染に関する作文の講評
- 空気汚染の被害、法規制、対策
- 第1回小テスト、騒音に関する作文の講評
- 騒音の実態、法規制、対策
- 第2回小テスト、暑さに関する作文の講評
- ヒートアイランドの実態、対策
- 第3回小テスト、日照に関する作文の講評
- 日照阻害の実態、法規制、対策
- 第4回小テスト、風に関する作文の講評
- 風害の実態、法規制、対策
- 第5回小テスト、水質汚染に関する作文の講評
- 水質汚染の実態、法規制、対策
- 第6回小テスト、講義のまとめ候 その1(気温・湿度)
環境工学I
2年次・前期(2012年度まで) ※2014年度以降は建築環境工学に統合
[授業の教育目的及び方針]
- 本学科で学ぶ建築・都市・環境計画の基礎となる理論を学ぶ講義である。
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一日や一年サイクルで変動する建築内部空間・外部空間の環境の性状を学ぶとともに、それを制御する基本的な考え方を学ぶ。
- 各種資料を編集して作成した教科書による解説を中心とする。
[授業内容]
- 建築計画原論としての環境工学(基礎編)
- 気候 その1(気温・湿度)
- 気候 その2(風向・風速)
- 光環境 その1(太陽位置)
- 光環境 その2(昼光率)[第1回小テスト]
- 光環境 その3(照明)
- 熱環境 その1(体感温度)
- 熱環境 その2(日射量)[第2回小テスト]
- 熱環境 その3(屋外空間)
- 熱環境 その4(壁体熱貫流)
- 熱環境 その5(結露)[第3回小テスト]
- 空気環境 その1(室内空気汚染)
- 空気環境 その2(自然換気・機械換気)
- 空気環境 その3(換気回数)[第4回小テスト]
- 講義のまとめ
「環境工学I」が第1回ベスト授業賞受賞!(2002年9月27日)
「この度、栄えある第1回ベスト授業賞を受賞いたし、大変光栄に存じるとともに、大変感激いたしております。
賞を頂いた「環境工学1」では第1週のガイダンスの時に、私は『この授業は必修で、しかも決して楽勝科目では
ないから、諦めてしっかり勉強しなさい』と学生に言います。3、4週間に一度は小テストを行うというこの授業に
学生はよくついてきてくれました。そうした決して楽勝ではない授業を高く評価するところに本学学生の質の高さを
感じるとともに、そのような学生に教えることのできる幸せを感じます。私が本学で10年前に初めて行った授業が
この「環境工学1」でしたが、私はその授業を「第1回」として、それ以降、私が本学で行うすべての授業に通し番号を
振り、その講義日記を一度も欠かさずつけてきました。先日受賞の知らせをいただいた日は、今回審査の対象と
なったこの科目の2001年度分の講義日記を読み返しては感慨にふけっておりました。受賞した今の心境をこの日記
にしっかりと書き記し、まだ不十分な点の多い講義ですが、より良い講義に向けて精進してまいりたいと存じます。
ありがとうございました。」
(2002年9月27日、システム工学部教授会で行われた表彰式での受賞挨拶)
環境工学II
2年次・後期(2011年度まで) ※2014年度以降は建築環境工学に統合
[授業の教育目的及び方針]
- 前期の必修科目「環境工学1」の続編の講義である。
- 環境工学1が基礎的な理論を中心としたので、この科目ではその応用として比較的広い範囲の話題をとりあげる。
- システム工学部棟エネルギーセンターの見学をとりまぜながら空気調和システムの基礎を解説する講義を行う。
- 教科書を用いないで資料を配布する。
- 学生からの要望に基づいて施設見学を行うこともある。
[授業内容]
- 建築計画原論としての環境工学(応用編)
- 音環境 その1(音の大きさのレベル)
- 音環境 その2(透過損失)
- 音環境 その3(騒音防止)
- 大空間(ドーム)の環境・設備計画 その1 [第1回小テスト]
- 大空間(ドーム)の環境・設備計画 その2
- 障害者施設の居住環境
- 障害児通園施設の設計事例 その1
- 障害児通園施設の設計事例 その2
- 空気調和システムの基礎 その1 [第2回小テスト]
- 空気調和システムの基礎 その2
- 空気調和システムの基礎 その3
- パッシブソーラーハウス
- 風通しの良い住宅地計画
- 環境工学がめざすもの [第3回小テスト]
建築環境工学
2年次・前期(2014年度以降)
[授業の教育目的及び方針]
- 室内環境の空気、光、熱、音に関する基礎理論を学ぶ科目である。
- 一日や一年サイクルで変動する室内環境の性状を学ぶとともに、それを制御する基本的な考え方を学ぶ。
- この講義に用いることを目標に執筆して出版した教科書を毎週使用する。
[授業内容]
- 講義のねらいと学修方法
- 室内空気汚染と換気 その1 室内の汚染物質、燃焼器具による室内空気汚染
- 室内空気汚染と換気 その2 室内空気汚染の基準、シックハウス症候群、自然換気
- 室内空気汚染と換気 その3 機械換気、換気量
- 室内空気汚染と換気 その4 全般換気と局所換気 [第1回小テスト]
- 日照と日射 その1 日照、太陽位置
- 日照と日射 その2 日影
- 日照と日射 その3 日影、日射
- 日照と日射 その4 日射 [第2回小テスト]
- 採光と照明 その1 人間の眼の特性、測光量、照度基準、採光の指標としての昼光率
- 採光と照明 その2 直接昼光率の計算方法、建築基準法の採光規定、照明
- [第3回小テスト] 色彩
- 断熱と結露防止 その1 熱貫流
- 断熱と結露防止 その2 断熱
- [第4回小テスト] 講義のまとめ
環境工学実験
3年次・前期
[授業の教育目的及び方針]
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騒音計・照度計・風速計などの計測器によって建築や都市の物理的環境を計測し、データを整理しグラフ化して表現する演習である。
- 計測器を用いた環境計測の方法を学ぶとともに、各種データの数値から環境の変動を具体的に把握する。
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この演習を通じて、学生が自分達で考えた計測計画に基づいて大宮キャンパス内外のさまざまな空間の環境を肌で実感し、それを定量化する面白さを知ってほしい。
[授業内容]
第1週
くじ引きで2~3名ずつのチームを組み、計測器の使用方法を理解した上で、チーム内で話し合いながら計測計画を作成する。
第1週
くじ引きで2~3名ずつのチームを組み、計測器の使用方法を理解した上で、チーム内で話し合いながら計測計画を作成する。
第3週
レポートの講評会を行う。優秀レポートとして選定されたチームは発表を行う。
上記を5回繰り返す。教員がそれぞれの段階でアドバイスする。チーム編成は各課題ごとにくじ引きによって行う。
- A課題:照度・表面温度
- B課題:表面温度・照度
- C課題:大気汚染
- D課題:風速・騒音
- E課題:騒音・風速
- F課題:自由(上記の中から)
なお、すべて共同作業なので、作業を怠るとチームのメンバーに迷惑をかける。この点に十分に留意して履修すること。
都市環境管理
3年次・後期
[授業の教育目的及び方針]
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都市が居住の中心の場となった今、たえず都市環境を改善し維持することは重要な課題である。建築・都市・環境を学ぼうとする者にとって都市環境の理解は欠かせない。
- この授業では、都市環境とそれを支える都市基盤施設について学ぶ。
[授業内容]
- 都市型社会の到来
- ヒートアイランド
- 都市のインフラストラクチャー(その1)[第1回小テスト]
- 都市のインフラストラクチャー(その2)
- レポート「道路占用物の設置状況の実態調査」出題
- 都市の大気環境[第2回小テスト]
- 都市災害(その1)
- 都市災害(その2)
- 都市環境計測手法[第3回小テスト]
- CFDを利用した都市気候シミュレーション
- 自然や気候を生かした都市熱環境の改善(その1)
- 自然や気候を生かした都市熱環境の改善(その2)[第4回小テスト]
- 都市のインフラストラクチャー整備
- 環境アセスメント[第5回小テスト]
- 住民意識アンケート
- 住環境改善活動支援[第6回小テスト]
環境工学特論II
修士課程・後期
[授業内容]
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この講義では、学生同士の討論により、実測調査の対象とする建築や地域を選定する。これまで学生が取り上げた例には、「さいたま新都心の外部空間の環境実態調査」「本学の大宮・田町・豊洲キャンパスの環境比較」「首都圏の駅前歩行者専用デッキの環境実態調査」などがある。
- 学生が共同で対象空間の環境を実測し、実測結果を一冊のレポートにまとめる。
最後に、対象空間を管理している団体・組織に出向いて、学生による実測結果を発表し、設計者や管理者の立場からのコメントを引き出す。つまり、一方的に調査して終わるのではなく、実際の設計者、管理者の考えを聞くことによって、実測データに対して奥行きのある分析を試みるとともに、設計者や管理者に優れた点や改善すべき点を示唆する。