第1028回 環境科学Ⅱ 2006年 1月13日

講義の補足の後、小テストを実施した。
小テストの裏面に7行分の罫線を引き、この講義で学んだこと、身についたこと、
講義に対する感想・質問・要望を自由に記入してもらった。
「環境の早いもの勝ちを認めてはいけない」という考え方が
とても勉強になったという意見が多い。
「先に騒音や大気汚染を出す道路や工場などがあって、後からそのそばに住むものは、
それがわかって住むのだから文句はいえない」というふうに考えがちだが、
この考え方に従うと、環境の早いもの勝ちを認めてしまうことになる。
埼玉県南部や東京のような過密な場所で、そのような考え方を認めたら、
都市づくりは進まなくなる。別の言い方をすれば、悪い環境を承知で住み始めたとしても、
その被害をがまんする必要はないということだ。

「環境」というと地球環境や自然環境のことを思い浮かべ、環境問題とは
自分からかけ離れたどこか遠くの出来事と捉える学生が多いようだが、
この講義を通じて、我々の日常にもいろいろな環境問題があることを理解できたと思う。
この講義を特徴づける作文の講評は「他の学生のさまざまな体験が伝わってきた」という
コメントが多く全体的に好評だ。
講義に対して出された要望には今後できるだけ答えていきたいと思う。
この講義では、いきなり理論の解説に入るのではなく、学生の興味の喚起に重点を置いた。
「これをきっかけに環境のことを深く学びたい」という声が目立つ。
そうした声に答えるべく、春からの「環境工学Ⅰ」では理論解説中心の講義を
ガンガンやるので、期待してほしい。