第1089回 環境科学Ⅱ 2006年10月13日 「苦情の申し立ては組織名で行うのが基本」

作文は提出数89編。
そのうち騒音について解説するための素材として16編を選定。

今年は例年よりも、工事騒音について書いた学生が多かった。
ここ数日、景気が良い状態が長く続いていることが報じられており、
景気が良ければ建設工事も増えるはず。これだけの人数の学生が同時に作文を書くと、
その内容に世相が反映されるところが面白い。

「近隣が発する騒音問題に地域で取り組んでいないのが残念」との作文があった。
騒音源の性格によって解決のしやすさは異なるが、
個人対個人でクレームを言うとトラブルになるので、
地域やグループでまとまって組織名でクレームをいうのが基本だ。

大分市に住む私の母は、近くの犬小屋の鳴き声に悩まされていた。
早朝、散歩中の他の犬が通りかかると激しく鳴くのだ。
そこで、私から「町内会長に相談したら」と提案してみた。
それでもうまくいかなかったところまでこの講義で紹介したが、
その後、母に連絡したら「町会長に苦情が殺到し、皆で警察に相談したら、
飼い主は犬小屋を片付け犬をどこかに連れて行ってしまった」とのこと。
町内会という組織名で申し立てたことが効果的だったのだ。