第1231回 環境工学Ⅰ 2008年6月18日 「大学の講義でせこいことをしたくない」

冷房をつけるか否か迷うような気温。そこで学生に手を挙げてもらった。
「暑い」「やや暑い」「どちらでもない」「やや寒い」「寒い」の5段階。
この段階分けは体感温度の学習(第6章)のイントロダクションでもある。
挙手の結果、8割は「どちらでもない」、2割が「やや寒い」となった。
今振り返ると、この結果から、冷房はやめるべきだった。

教壇で教師はいつも声を出しながら身振り手振りで体を動かしている。
収録映像を見ると、教壇を右に左に動き回っている。
それに、黒板を照らす蛍光灯が近く、体感温度は学生より高い。
だから授業が進むにつれて教室がかなり暑く感じられ、
結局最後まで冷房を「最弱」でつけっぱなしにした。

だから終了後に学生から「寒かった」と申告があったのは当然だ。
学生は座ったままで、しかも冷房吹出口の下にいるのだから体感は教壇上より低い。
室内環境の講義をしているその教室の環境を適切にコントロールできないのがもどかしい。

板書で演習問題の解法を説明しながら気分転換を兼ねて次々と指名してみた。
教科書を開いていない学生、教科書を持っていない学生、居眠りをしている学生‥‥。
そうした学生は出席点を減点してやりたい気分だが、指名されるかどうかは運なので公平性に欠ける。
それに大学の講義でそんなせこいことをしたくないという気持ちもある。
私語は人に迷惑をかけるので良くないが、それ以外は学生の自律的な姿勢にまかせるほかない。

ところで、小テストを採点した。70点満点の8割に相当する56点以上の学生が12名もいた。
これは現在の履修者の14%にあたる。最高点は66点。最低点は18点。
来週、高得点者を発表します。