第1243回 環境工学Ⅰ 2008年7月16日 「私語を注意する理由」

授業中の3大問題。それは、遅刻・私語・居眠りだ。
この講義では、遅刻はほとんどない。私語もほとんどないが、
たまに出始めたらすぐに注意する。

3年生の「環境工学実験」という演習科目で学生が騒音レベルを計った。
何を計測の対象にするかを自由に決められるのがこの科目の面白いところだが、
あるグループがiPodのボリュームとうるささの感じ方の関係を調べた。
結論は、ボリュームを変えても、漏れる音の騒音レベルはほとんどかわらない。
つまり騒音計は漏れる音をほとんど感知できないのだ。
ところが、この実験を行った学生は漏れる音を確かにうるさいと感じていた。

私語を注意するのはこれが理由だ。私語そのものは騒音としては小さいが、
主観的には、かなり気になるものなのだ。
周囲の学生が授業に集中しにくくなるのは当然だ。

これまで14週、講義を行った。
これだけは学生に伝えたいという気持ちで講義をする。
教室に目を凝らすと、こちらの言葉に深くうなづく学生がいる。
そうした学生の小さな仕草にどれだけ勇気づけられることか。

次回は最後の小テスト。がんばってください。