第1332回 環境工学Ⅰ 2009年6月29日 「教壇から学生の表情が読み取れること」
この講義では毎週、授業を始める前に学生席を巡回して
出席票を一枚ずつ学生に配っている。これにはいくつか効用がある。
まず、授業に備えて学生が机の上に何を置いているかがよくわかる。
意欲的な学生は教科書の該当ページを開いたり、先週のノートを読み返したりしている。
他の授業でレポートが出ていると、レポート作成を内職するため、
机の上にその素材を出している学生もいる(これはやめにしよう)。
それから、学生席を歩くことで、学生席から教壇のスクリーンや黒板が
どのように見えるかも把握できる。
特に351教室は縦長なので、後方の席は教壇からかなり遠い。
学生が前方を避けて後方に座ってしまうと、学生と教壇との距離が致命的に開いてしまう。
そうなれば学生の集中度が落ちてきて当然だ。
この授業で、教室の前半分に着席するようアナウンスしているのはそのためだ。
この方針が理解され、学生は前の方に着席している。
講義をしていて大事なことは、教壇から学生の表情が読み取れるか否かだ。
興味深い話題には目を輝かせ、わかりにくい解説にはどことなくいぶかしげな表情をする。
それが教える側のモチベーションにもつながる。
表情がわからないほど離れていたら、学生の反応を感じることはできない。
我々教師はいつも諸君の表情を見ながら講義をしているのだ。