第1340回 環境工学Ⅰ 2009年7月13日 「やっぱり板書はいいなあ」
今日のテーマは熱貫流率。
断熱や結露防止の面で住宅の性能を左右する重要な用語だが、
熱の流れは目に見えないこともあって学生の集中は途切れやすい。
前年の同じ回の講義日記を読み直したら、
昨年もあまりうまくいかなかったようで、日記の最後に、
「壁体の熱の流れを辿る前に、いきなり熱貫流率の計算式を説明して、
その要素をさかのぼって説明したらどうだろう」と書いている。
そこで、今年はそのとおりにやってみた。
最初に、熱貫流率の計算式をでっかく板書した。
次に、その数式に各項を説明する用語を書き足していった。
そして、その用語を理解するのに必要な壁体の熱の流れを説明した。
授業を終えて思ったのは「やっぱり板書はいいなあ」ということ。
板書を正確に書き、学生はそれをノートに写しながら手で覚える。
そうしたスタイルを基本にしてきたが、351教室ではそれをやめていた。
学生席と黒板との距離が開いているので、字を大きくしなければならず、
それをどことなく苦手に感じ、いつのまにか板書の量がかなり減っていた。
学生席の正面にあって、面積も大きいという点では、スクリーンより
黒板の方が優っている。板書のレイアウトを整えていけば消さずに済むので、
重要な事項を学生の目の前に長時間提示できる。
何よりいいのは、こちらも手と体を動かしながら板書し、
身振り手振りを駆使して解説することだ。
授業がいきいきとした感じになり、独特の達成感があるのだ。