第1426回 環境工学Ⅰ 2010年6月28日 「教室という生の素材を生かす方法」
第3章の2週目。
今日のポイントは「立体角投射率」の理解。
照度計を教室に持ち込んだ。
計測モードの状態で照度計を書画カメラの台に載せてスクリーンに映した。
書画カメラのライトを受けて照度の値が高いのがわかる。
次に、教室の照明を消した状態で、室内の照度を計った。約100lxだった。
さらに、照度計を持った手を窓の外に伸ばして、外の照度を計った。すると約10000lx。
そこで、この比率(100/10000=1%)が昼光率に近い数字になることを話した。
昼光率の計算式の分母は、全天空照度(屋外の周囲に遮蔽がない地点での天空光による水平面照度)なので、
隣の教室棟の外壁が近いこの教室の窓の外では、正確な全天空照度ではない。
しかし、昼光率の定義をイメージすることはできる。
そのあと垂直窓の立体角投射率の計算方法を解説した。
教室の窓のひとつを例にとり、その大きさが幅2m×高さ2mと仮定した上で、
そこから4m離れた地点に実際立ってみせて、
「この地点から、あの窓の立体角投射率を計算すると‥‥」と、解説を始めた。
次に水平窓の立体角投射率の場合を解説した。
黒板上部の天井に2m×2mの大きさの天窓があると仮定し、
そこから4m下がった地点(ほぼ床面)を差し棒で指示して、
やはり「この地点から、天窓の立体角投射率を計算すると‥‥」と、教科書の解説に入った。
教室という生の素材を生かす方法はたくさんある。
来年は、実際の窓の寸法を正確に計って立体角投射率を計算しよう。
あわせて照度も正確に計れば、立体角投射率と昼光率の違いを正確に理解できるはずだ。