第1497回 環境工学Ⅰ 2011年7月4日「授業中に新聞記事を配る理由」


7月に入った。電力使用制限令が発動された
大口電力需要家は昨年のピークより15%消費電力を減らさなければならない。
大宮キャンパスも対象だ。

教室の空調を弱にして授業を始めた。
この季節の講義日記を読み返すと、冷房をつけた途端にくしゃみが聞こえ、
寒くなると何度か書いている。
暑そうにしている学生もいるが、冷房をつけると寒くなるのはわかっているので、
そのまま続けることにした。

「採光と照明」の章の2週目。窓からいかに太陽の光を取り入れるか。
節電の面から、特に今年は大切なテーマだ。
昨日の新聞の社説に、学会が照度基準を見直したことが載っていた。
さっそくコピーを配った。

授業中に新聞記事を配るのには3つのねらいがある。
第一に、教室で学習した事柄が新聞でも取り上げられていることを知り、
講義の内容が社会と関連していることを理解すること。
第二に、新聞にはテレビとは違った詳細な記事や論説が載っていることを理解すること。
第三に、授業中に新聞記事を読むことをきっかけに、就職活動に備えて、
新聞を読む習慣を身につけること。

毎日少しずつ新聞を読むことで頭の中に知識の地層を作っておくと
就職の面接でも安定した受け答えができる。
就職活動を始めてから急に読み始めても間に合わない。
日頃の積み重ねが必要だ。

室温が上がって、テンションの下がった学生が増えてきた。
しかし教室を見渡すと、姿勢を正して授業に取り組む学生がいる。
そうした学生の姿に押されて、授業を続けた。
暑い中、皆さん、お疲れ様でした!