第1505回 環境工学Ⅰ 2011年7月25日「学生はピンとこないという表情をしている」


講義は今日で終わり。
「外断熱・内断熱」はとても重要なので、しっかり理解しようと伝える。
いつものとおり、教科書の図を書画カメラでスクリーンに映して説明に入るが、
教科書の図は壁の断面だけなので、断熱材の位置の違いを伝えにくい。
学生もどことなくピンとこないという表情をしている。

そこで、気がついた。
壁の断面の説明をする前に、建物全体の断面図を板書して、
外断熱と内断熱の場合の断熱材の位置を色の違うチョークで書けばよいのだ。
スクリーンに映した壁の断面が板書のどこにあたるかを説明すれば、
板書した図とスクリーンの図のつながりがすぐにわかる。

こういう風に、学生の反応をリアルタイムで捉えながら、
説明の仕方を工夫するには、なんといっても黒板とチョークが一番だ。
学生が理解したと実感できるまで、書き足していけばいい。
目の前で図が書かれていく臨場感も捨てがたい。
黒板とチョークは、機動力のある授業ツールなのだ。

その点、書画カメラはきれいだが、単調になりやすい。
毎週の授業で、スクリーン上を指すのに、
レーザーポインタを使わないで、指し棒を使うのもそのためだ。
ビシッ、バシッと指すことで、説明にメリハリがつく。

辞書によると、講義とは「学問の方法や成果、研究対象などの
内容・性質などを説き聞かせること」とある。
授業が単なる解説ではなく、講義になるよう努力しているのです!