第1548回 環境工学Ⅰ 2012年4月23日「講義は教室の前方に座る学生向けに組み立てられている」
毎週、教科書のコピーを書画カメラでスクリーンに映して解説する。
学生は教科書のどこを説明しているかがすぐにわかるし、
スクリーンを見るのに顔を上げるため眠気防止にもなる。
いいことばかりのような気がするが、この方法も欠点がある。
講義が単調になってしまうのだ。
もともと私は講義でパワーポイントを使わない。
情報量が多く画面もきれいだが、講義にメリハリがつかない。
だからといってパワーポイントをやめても、
書画カメラでスクリーンに頼り切っては同じことだ。
途中で講義が単調になってきたことに気が付いたので、
スクリーンから離れて黒板の前に立ちキーワードを板書した。
講義にアクセントが生まれ、学生の集中度も戻ってきた。
何年も授業をしているのに、学生のやる気を取り逃がしそうになった。
良い授業への道は果てしない。
ところで、講義をしながら学生の集中度を計れるのは
前の方に座っている学生の表情を読み取っているからだ。
つまり、前の方に座る学生は授業のバロメーター。
それを見ながら、授業の組み立て方を考えている。
最初の週に前方に座ろうと呼びかけたが、2週間で全体的に
後退してしまった。それでは教卓から表情を読み取りにくい。
今日のアドバイスは
「講義は教室の前方に座る学生向けに組み立てられている」
ということ。
同じ講義を受けるなら主体的になった方が面白い。
そのためには、前の方に座るだけでいいのです!
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