第1370回 環境工学Ⅱ 2009年11月20日 「途中退出した学生がいた」

遅刻・私語・居眠りという教室の3大問題に加えて
問題なのが、授業中の途中退出だ。
教えている側にとって「ムカッ」とくるのは
遅刻・私語・居眠りよりも途中退出かもしれない。

随分前に3号館の縦長の教室で工学部の学生に教えていたことがあったが、
後方の何人かの学生が平気で席を立って教室の外に出ていくので、
かなり驚いたし、何より腹が立ったのを覚えている。

居眠りはボクシングのボディブローのような形で徐々にきいてくる。
それらにめげずに授業を続けていると次第にげんなりして、
こちらの気力を保つのに苦労することがある。
それに対して、何の断りもなしに平気で教室を出て行かれると、
まさに切れそうになるのだ。

学生時代に、教室を無断で出て行った学生を、教授が授業中に
外まで追いかけて行って叱ったという話を聞いたことがあるが、
教える立場にある今、その先生の気持ちがよくわかる。

もちろんトイレに行くのはかまわない。
断らなくてもいい。すぐに戻ってくるのだから。
ただ、トイレ以外で無断で出て行き、戻ってこなかったら許さない。
そういう気持ちで授業をしている。

この授業で、ひとり戻って来なかった。
その学生に研究室に来るようクラス全体に呼びかけたら、
その学生が研究室にやってきた。

事情を聞いたら、やむを得ない理由で帰宅せざるを得なかったとのこと。
そういう特別な事情なら途中退出してかまわない。
これからは必ず事前にそのことを言っておいてほしいと伝えた。

本人が研究室に来てくれたおかげで、本当の理由を聞けてホッとした。
「関係者に事前にひとこと伝えておく」
これは社会に出てから絶対に役に立つ教訓だ!