第1374回 環境工学Ⅱ 2009年11月27日 「教科書の間違いが少しずつ直されていく」
第2回小テストを実施した。
その後、教科書の第7章の最後の節「室内音響設計」を解説した。
最初に、直接音の音圧レベルを反射音の音圧レベルで
補うことの必要性を示した図7.18を解説。
そのあと、客席中央部への反射音を増やすため
側壁に段をつけることを図7.20~7.23を使って説明。
このとき、各図ではエコーを防ぐため客席後方の壁は
吸音性を高めなければならないことを説明した。
この辺から、自分の解説に違和感を感じ始めた。
図7.18では反射音の音圧レベルで補うことを説明したのに、
図7.20~7.23ではエコーを防ぐため客席後方の壁は
音を反射させてはならないと書いている。
これは明らかに矛盾だ。
そのあと図7.25でも客席後部では壁面や天井面の反射率を
低くするか、空間の形状を変える必要があると書いている。
授業が終わって教科書を読み返して気が付いた。
最初の図7.18において、直接音を補う反射音として、
この図が示す後方の壁から反射した音ではなく、
音源側の壁や天井から反射した音を表示すべきなのだ。
つまり図7.18に示した反射音の矢印の位置を修正しなれければ
ならない(次回の重版のときに訂正しよう)。
こうして教科書の間違いが少しずつ直されていく。
そうやって今年も辿り着いた最終ページであった。