第1081回 都市環境管理 2006年10月 4日 「大学の先生が常に基本に立ち返る訳」

この科目で今の教科書を使い始めたのが、3年前。
小テスト方式に代えたのが2年前。
講義終了前にやっていた小テストを講義冒頭に代えたのが昨年。
このようにして学生の意見も取り入れながら講義を進化させてきた。

講義の進め方の基本ができあがると、教科書の説明の精度を高めることに集中できる。
今日の講義の「ヒートアイランドはダストドームでもあること」の解説では、
昨年の講義のときに学生から出た質問を織り交ぜながら明快に説明できた。
講義をしながら自分自身でもその現象に対する理解が深まっていく。
放射冷却や鉛直混合のスケッチもわかりやすかったのではないだろうか。

外部の委員会で、役所の人たちなどと議論するとき、
自分も含めて大学の先生は、そもそもの言葉の意味や基本的な理論に
立ち返って発言することが多い。
これは、大学の先生が毎週講義をしているからだと思う。
毎年、学生に基本を教える講義を繰り返すことで、
教える側にも常に基本に立ち返る姿勢が自然に身に付くのだ。