第1174回 都市環境管理 2007年10月24日 「教室で教えることの意味は?」

黒板に地図の現物を張って、チョークで書き込みながら、
2500分の1地形図の成り立ちを説明した。

研究室の4年生が調査対象地区に100mメッシュをかける際に、
昨年の同じ講義でこのことを解説したことをすっかり忘れてしまっていて、
教室で学んだことと実際に自分で取り組む作業を結び付けていくことの
難しさを改めて思い知らされた。

ここのところ、教室で学生に教えたことを、学生がすぐに忘れてしまうことが気になる。
半期前の講義でやったごく初歩的なことを授業中に質問してみると
多くの学生は答えに窮しているのだ。

私も学生の頃はそうだったのかもしれない。
そのあと、仕事や研究に必要になり自分で教科書を読み直した瞬間に
知識が自分のものになるのだろう。

それでは、所詮自発的に学ばないと身に付かないとわかっていて、なぜ教室で教えるのか。
はっきりとした答えが見つからない。
基本的なことを理解していれば、独力で勉強しやすいこと、
教科書のどこに何が書いてあるかがわかっていれば、あとで調べられること
それがとりあえずは答えだろうか。