第1273回 都市環境管理 2008年11月19日 「学術論文の読み方」

学部1年や2年の講義では基本の習得が目的なので、
研究室における研究成果について詳しく解説する機会はほとんどないが、
3年生の講義になるとレベルが上がり、研究論文も紹介できる。
都市の風通しに関する風洞実験もそうした三浦研究室オリジナルの研究のひとつだ。

研究を始めたのが1995年。それから10数年かかりはしたが、
論文を国内だけでなく国際的な論文集にも掲載されるところまでこぎつけた。
この講義で使っている教科書でも取り上げている。
だから、研究室オリジナルであるが、学会が認めた研究成果であり、
学部の講義といういわば公式の場で紹介できる研究といえる。

そこで、授業では、国内の学会論文集に掲載された論文と、
国際的論文集に掲載された論文それぞれの全文コピーを配布した。
どちらも審査された学術論文だ。
授業中にはそのごく一部しか紹介できなかったが、時間を見つけて読んでほしい。

論文の読み方のアドバイスをひとつ。
まず、日本語の論文の「はじめに」と最後の「まとめ」だけ読む。それで論文の全体がつかめる。
それから図表だけ見ていく。論文の「はじめに」は問題提起だから、
これまで学会でどこまで研究が進み、自分は何を新しくやるかが書かれている。
それが頭に入っていると、図表も理解しやすいのだ。

次に英語の論文で同じことをやってみる。「Introduction」と「Conclusions」を読んで、
図表だけ見ていくのだ。もちろんわからない単語は辞書で引いていく。
4年生の総合研究では論文を読むことも多い。
その練習としてトライしてみよう!