第1353回 都市環境管理 2009年10月15日 「楽しめる講義になるといい」
昨年度までの講義内容を少し変えて、教科書の節「主体を明確にすること」を
詳しく説明することにした。
教科書の該当箇所を説明した上で、「まじることこそ都市の平和」と題する
建築学会発行「建築雑誌」の記事を紹介した。
これは、本学着任の前年である1990年4月に私が書いたもの。
「同質なものが異質なものを排除して寄り添う安逸な平和ではなく、
まじることの意味を常に問いながら異なるものがまじりあい
互いに刺激しあってまったく新しい何かが生まれる可能性に期待する。
それが都市の平和の姿ではないか」と主張した。
この記事を説明したあと、文中で述べている映画の映像を
ごく短時間ではあるが抜粋して見せた。
教科書から雑誌記事、DVDへと媒体を展開しながら、
都市環境の主体について考えることができたのではないだろうか。
2年生の「環境工学Ⅰ」「環境工学Ⅱ」は教科書に忠実に沿いながら
基礎理論と用語をしっかりと理解することに重点を置いた。
3年生前期の「環境工学実験」では、自分で手や体を動かして、
音、熱、光、空気の状態を実感しつつ計測してレポートにまとめる
スキルを習得することを目指した。
3年後期のこの講義は、私の講義の締めくくりとなるもの。
教科書を基本にしつつも、さまざなな考え方を紹介して、
都市とその環境の多様性に思いを馳せるような講義にしたい。
履修する学生諸君もそうした姿勢でこの講義を楽しんでほしいと思う。