第1124回 環境工学Ⅱ 2006年12月22日 「人が見ないところを見ることが専門家への道」

これまで取り上げた事例の写真を見せたあと講義の補足説明をして小テストに入る。
小テストに講義に対する質問や要望を聞く質問を設けた。

ある学生は「東京ドームの講義のあと実際に東京ドームに行く機会があったが、
そこで行われた野球の試合よりも、屋根の構造や送風機など東京ドームの仕組みの方に
気が向いてしまった。この講義のおかげで普段注目しないような点に気づくようになった」
と書いている。
「最近、NHKホールで行われた演奏会がテレビで放送されていたが、
演奏そっちのけで、音響設計がどうなっているのかと天井や壁の造りばかりを見ていた」
と書いた学生もいる。
人が見ないところを見るようになることが専門家になるということ。
これらのコメントを書いた学生は専門家に一歩近づいたのだ。

ところで、学生のひとりが「講義日記では、三浦先生が、教科書が完成したこともあり、
充実した授業ができているということがわかる。もう教科書はボロボロになるくらいだが、
そのくらい一生懸命勉強できたと思う」と書いている。
講義日記で度々触れたように、前期の環境工学Ⅰに続いてこの環境工学Ⅱも
教科書をいかに使いこなしていくかが最大のポイントであった。
この学生のコメントほど教師としての自分を励ましてくれるものはない。